宇都宮のホルン教室 講師の菊池美香です。
日ごとに寒さが増してきましたね。
というか、秋をすっ飛ばしたんじゃないかしら。
さて、本日はレッスンの目的について考えてみます。
みなさんはレッスンを受けるとき、どんな目的で受けますか?
よく聞くのは、上手になりたいとか、できるようにしたいとか、ですかね。
いま何に悩んでいて、具体的にいつまでにどのくらい上手になりたくて、いつまでに何をどの程度できるようにしたいのか
きちんと説明できない子はレッスンも練習も質が落ちる可能性があるので要注意です。
私たち講師は、生徒さんありきのレッスンをします。
生徒さん本人が、何がやりたいのか分かっていない状態でムリヤリ引っ張っていくことはできません。
だって方向が定まっていないのですから。
(乳幼児さんなら話は別です)
楽器の練習に限った話ではないと思いますが、何事もまずゴールを決めて、そこに向けて計画を立てる。
スモールステップで構いません。というか、スモールステップをお勧めします。
よく言われるのが、「次の本番までに、部活で配られた曲をできるように見てください」というものです。
対症療法でしかないし、根本的に解決できそうにないので、本当はやりたくないです。仕事だからやるけどね。
老子の言葉で「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」ってのがありますよね。
その曲(パート譜の音符を追いかける作業)ができるようになることに、あまり意味を感じません。
それよりも基礎を固めて何事にも対応できるように育てるのが私の仕事と思いたい。
その曲(パート譜の音符を追いかける作業)だけなら、部活の顧問の先生でもやってくれるはずです。
先輩や同級生、楽譜の読める後輩に手伝ってもらっても良いでしょう。
わざわざ時間と労力、お金をかけて来てくれる生徒さんに、毎回毎回魚だけ与えて帰すなんて
たぶん難しくないでしょうけれど、何より私が面白くないです。
もっとお互いが情熱を持って、音楽を通してコミュニケーションを取りたいのです。
音楽って形のないものと思われがちですが、ちゃんとあります。分かりにくいだけで。
それを学ぶのが基礎練習だし、読譜やソルフェージュなんだと思います。
音楽について広く学ぶことで、楽器の演奏に生かすことができるんですよ。
別に音大受験のためだけに必要な知識ではありません。
余談ですが、数学とか医学とか、学とつくと頭が良い気がしませんか?
音楽にだって、音楽学ってのがあるんですよ。
私個人としてはコンクール絶対正義マンではないので、楽しく続けていただくのが1番と思っています。
とはいえ、何の目的も持たずにただ決められた時間に来て、楽器も出さずに指示待ちをしているというのは、はっきり言って時間のムダであり、お金や労力のムダ使いかもしれません。
なかには、楽器を出したら毎回20~30分かけてお手入れをする子もいました。
それはさすがにお家でやってきてねと言いましたが。
これで生活をさせていただいている以上、生徒さんが減ってしまうとそれはそれで困るのですが(笑)
それにしても好きなことを深堀りして学びに来ているはずの生徒さんの姿勢としても、もっと積極的になってくれたら嬉しいなと思います。
目的を持って自分の頭で考え、色々と試してみる。
疑問があれば質問して、自分なりに嚙み砕いて実践してみる。
その結果、前回と比べてここができるようになりました!とか
ここがどうしても苦手なので教えてくださいとか
お互いにプラスになるコミュニケーションが取りたいのです。
より良い音楽ライフのためにね。
みなさんはどんな目的で練習に励み、どんな姿勢でレッスンを受けていますか?